足るを知る者は富む

 こんにちは。布施病院 相談室PSWの長内です。徐々に日が長くなり、寒さの中にも春を感じる頃となりました。しかし、まだまだ朝晩の冷え込みは厳しく、体調管理には引き続き気を付けていきたいですね。


 さて、今年度最後のPSWのつぶやきです。自己肯定感という言葉を聞いたことはありますか。自己肯定感とは、自分に対する肯定的な意識のことです。「日本の子供たちの自己肯定感が低い現状について」(文部科学省)によると、他の国に比べて、日本の子供たちは自己肯定感や自身への満足感が低いそうです。自己肯定感が低い理由は諸説ありますが、理由の一つに、自己主張を良しとしない日本の国民性があります。日本では、謙遜することが美徳とされています。また、「他人に迷惑をかけてはいけない」という教育も影響していると言われています。子供に限らず、自信を持って「自分が好き」と言える人は多くないかもしれません。

 私が最近出会った「知足者富(足るを知る者は富む)」という言葉を紹介します。これは老子の言葉です。満足することを知っている人は、心に余裕を持って落ち着いて生きられるという意味です。決して、今の自分で妥協し、それ以上何もしなくて良いという意味ではありません。人と比べて優れているかどうか評価はせずに、ありのままの自分を認めてあげることも大切ということです。ありのままの自分とは、今の自分が持っているものや出来ることに加えて、これまで積み重ねてきた努力なども含まれます。努力するばかりで、自分がその努力を認めてあげなければ、いつまでも報われません。まずは今の自分を認めると、少し心穏やかになれるかもしれませんよ。
 来年度も「PSWのつぶやき」を宜しくお願い致します。