小正月。粥の汁をいただきました。

1月15日は小正月です。

いまではお正月料理としても食べられる粥の汁ですが、もともとは小正月に食べたものです。粥の汁とは、細かく刻んだ何種類もの野菜や山菜などを煮込み、味噌で味付けをしたもの。

昔、小正月は嫁が実家に帰り、骨休めができるときでした。自分がいない間、家族が困らないように、大鍋いっぱいに粥の汁を作って、里帰りしたと言われています。また、コメが貴重だったころ、野菜を細かく刻んでコメに見立てたと料理だという説もあります。

1月15日のお昼には粥の汁を出しました。大根、ニンジン、ごぼう、ふき、ぜんまい、油揚げ、高野豆腐、こんにゃくが入りました。患者さんのところに行き『今日は小正月だから粥の汁だよ~』と声をかけると、『ぜんまいも入って、いい味だのー』と喜んでくれた患者さんがいました。みんなおいしそうに食べていました。やはり、高齢の方には、昔ながらのこういうものは、食が進むようです。ぺろりと食べてくれました。高齢ではないけど、毎年、1月15日の粥の汁を楽しみにしてくれる患者さんもいます。美味しかったよーと声をかけてもらいました。良かった~!!!

 

地域ならでわの習慣、それに伴う食事。これらを大切に、続けていきたいと思います。高齢の方には懐かしいはず。その懐かしさが、食事量のアップにつながります。そして若い世代の人たちにも、覚えていてほしいから。

さて、小正月より先になりましたが、1月11日は鏡開きでした。

お餅を食べたいという患者さんが多いのですが、毎年お正月になると、餅を詰まらせれ亡くなる方が多いのが現状です。そのため、当院では、鏡開きの日に餅なしの栗ぜんざいをお出ししています。ことことと小豆を煮て、砂糖を加え、刻んだ栗を散らします。これがまた、患者さんに大好評。あんこのほっこりとした甘さがたまらないようです。

 

七草の七草がゆ、鏡開きの栗ぜんさい、そして、小正月の粥の汁と続いたお正月の行事食が続きましたが、すべて終了しました。

 

一年は始まったばかり。これからも、季節の行事や津軽ならでわの食事を提供し、患者さんに『楽しみ』をお届けしたいと思います。