こどもの日です
♬甍の波と雲の波…。こどもの日です。
鯉のぼりが青空の下で泳ぐ姿をみるとうれしくなりますね。当院の病棟の廊下では鯉のぼりがたくさん泳いでいます。
5月5日は端午の節句。3月3日のひな祭りが桃の節句といわれるように、端午の節句は『菖蒲の節句』ともいわれています。江戸時代、ひな祭りが華やかな女の子のお祭りになったのに対し、5月5日は男の子のお祭りとして、とくに武士の間で広まったそうです。五月人形が兜なのも納得できますよね!
端午の節句に菖蒲を用いるのは、古代中国から伝わる風習です。菖蒲のもつ独特の強い香りが邪気を祓うと考えられ、お酒に入れたり、お風呂で一緒に浸かる文化が誕生しました。また菖蒲という文字からは「勝負」や「尚武」などの言葉も連想され、その縁起の良さから、子どもが健やかに成長するようにとの願いも込められているそうです。
鯉のぼりは、男の子が生まれると、幟(のぼり)や旗指物(はたさしもの)を掲げてお祝いしていたのが始まりなのだとか。最初は吹き流しだけだったのが、「滝を登り切った鯉は竜になる」という故事にちなんで、鯉が描かれるようになったそうです。
こどもの日は、昭和23年に「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として、正式に日本の祝日として認定されました。男の子だけのお祝いではなく、女の子も一緒にお祝いし、お母さんに感謝をする日なんですね。
当院でも、こどもの日のお祝いをしました。
この日のメニューは、山菜ちらし、天ぷら、茶わん蒸し、ウドの酢味噌和え、柏餅です。ちらし寿司にはわらびやタケノコ、天ぷらにはタラの芽、そして酢味噌和えのウドと、春の香りがいっぱいでした。ウドの酢味噌和えだよ~と教えてもらった患者さんが、『ウドの香りいいなあ』と言って食べてくれたそうです。別の患者さんも『美味しい』と笑顔で食べてくれました。手作り茶わん蒸しも大好評でした。
さて、こどもの日というと、柏餅です。なにかいわれがあるのでしょうか。
柏は冬の間も葉を付けたままで春を迎え、新芽が吹く頃に葉を落とすという特徴があります。そのため、後継ぎができるまで葉を落とさない、縁起担ぎのめでたい木とされています。神事に欠かせない餅を縁起の良い柏の葉で包んだ柏餅を端午の節句に食べることで、男の子が元気に育つようにという願いが込められているんだそうです。
当院の患者さんも、喜んで柏餅を食べてくれました。葉っぱは食べられるの?という質問もありましたし、ご飯やおかずよりも先に柏餅を食べていた方もいましたよ。楽しく、美味しく食べてくれて何よりでした。
季節ごとの行事食。調べてみると色々といわれがあります。それぞれにたくさんの人の願いがこめられ、今に至っています。これからも、日本の文化を、食事で伝えていきたいと思っています。