物には時節

 

 こんにちは、相談室の長内です。

早いもので、もう11月ですね。これからますます冬らしくなっていきますが、雪かきの負担などを考えると憂鬱になる方も多いのではないでしょうか。季節の変わり目は心身ともに体調を崩しやすいので、十分な栄養と睡眠、気温や天候にあった服装を心がけたいですね。

 

 

 さて、今回は、私が最近出会った「物には時節」ということわざを紹介します。

 

 まず、時節とは、「①季節。②そのことをするのにちょうどよい時期。③世の中の事情や情勢。」という意味です。(例解 新国語辞典 第四版)

 そして、物には時節とは、「何事にも時機というものがあり、時機を外せば思うようには成功しないということ。状況判断が大切との戒めでもある。」という意味があります。(あすとろ出版。著:現代言語研究会。故事ことわざの辞典)

 

 私も、普段患者様やそのご家族様、関係者の皆様から相談をいただくときに、時機を考えることがあります。例えば、「今、なんと声をかけたら安心してもらえるだろうか。」「これをお伝えしたい。しかし、今言うべきか、それとも今ではないほうが良いだろうか。」「この相談は急ぎだろうか、いつまでに返事できたら良いだろうか。」などを考えています。

 

 また、本人にとって「大きな決断」を必要とすることを決める際は、特に、本人のタイミングを逃さないようにしたいと思っています。「大きな決断」は人それぞれ違いますが、例えば、就職、引っ越し、結婚、出産などがあります。中には、精神科病院を受診することや、入院すること、福祉サービスを利用することなども「大きな決断」となる方もいます。本人にとって決断しやすいタイミングがあると考えます。加えて、一度決断してもそのタイミングを逃すと「やっぱり良いや」と思ってしまうこともあります。

 

 私が相談を受ける際には、お話をしっかり聞く姿勢は勿論、どのような言葉をかけられるのか、どういったご協力ができるのか、そして、関わりを続けることで本人にとって適切なタイミングを逃さない人でありたいです。