渋谷バンド院外デビュー!(デイケア)

 

デイケアを盛り上げるために活動している企画隊。
その企画隊から生まれた「渋谷バンド」が10月2日(水)院外デビューしました。

初めての院外活動は五所川原市中央公民館で行われた「西北五地区精神障害者家族学習交流会」の分科会の一枠です。

会場は3階の第1研修室で140畳の畳間。とにかく広いお部屋でした。

バンドのリーダー渋谷OTRによると音楽にはいろいろな良い効果があるそうです。例えばみんなで歌ったり演奏をしたりすることで一体感が生まれ、身体が元気になり、楽しい気持ちにもなれます。

また、皆で一つの曲を演奏するためには他の人の演奏を聞き合いながらお互いに息を合わせる、つまりコミュニケーションが必要です。表情や視線、体の動きなど言葉ではない手段を用いたコミュニケーションです。

演奏は自己表現の一つでもありますから、それぞれが自分を表現しあい、そしてお互いにそれを受け取り受け入れながら一期一会の演奏という一つの作品を作っていくことになります。そこには言葉では表現しきれない感動が生まれます。今回は大勢でそんな体験をできればいいなと考え、「身近な物で楽器を作りバンドに合わせて演奏しちゃおう♪~手作り楽器であなたも渋谷バンドの仲間入り~」というテーマで、約60名の参加者の皆さんと楽器「ペットボトルシェイカー」「段ボールカホン(=段ホン)」を作り、一緒に演奏を楽しみました。

 

分科会は13:00からスタート。
まずは渋谷バンドが演奏する本日の課題曲を聴き、どちらの楽器を作成するか決めてもらいました。課題曲は
『風になる/つじあやの』
『花鳥風月/SEKAI NO OWARI』
の2曲です。

今回は作った楽器を持ち帰ることができるのですが、サイズの関係でしょうか、ペットボトルシェイカーを希望する方が多目でした。

段ホン作成グループの一角です。


本来カホンはその上に座って演奏する楽器ですが、今回はどんな方にとっても「楽な姿勢で演奏できる」ことをコンセプトにデザインしています。車イスの方は膝の上において演奏できるように、大きい動作で叩きたい人は床に置いて叩けるように、幅広いサイズの段ホンを準備しました。
段ホンは、様々な背景の前に立つ「渋谷さんのネコ」マークのステッカーを貼って完成するのですが、このステッカーが「カワイイ!」ととても好評でした。
こちらが「渋谷さんのネコ」です。

 

こちらはペットボトルシェイカー作成グループです。


シェイカーはペットボトルの中にビーズを入れて音を出すというシンプルな構造です。
が侮るなかれ、このシェイカーは「誰にとっても作りやすい・振りやすい・音がきれい」をコンセプトに試作・試奏を繰り返し、デザインされています。
ペットボトルは容器の形状、厚さ、硬さを基準に選定、それに合わせて中に入れるビーズの材質、サイズ、量を厳選しています。
また、仕上がりが無機質だと演奏時にテンションが上がりません。キラキラした気持ちで演奏できるようビーズは様々な色を選べるようにし、仕上げは色とりどりのマスキングテープを貼って、自分らしさを表現できるように工夫しています。
皆さん、完成するなり早速好きなリズムでシェイカーを振って楽しまれていました。

 

それぞれの楽器が完成したら、リズムマシンの8ビートに合わせて皆音合わせ。

 

最後は皆で課題曲を演奏し、拍手でお互いをねぎらいました。

皆さんの感想が書かれたアンケートの集計はまだだそうですが、作成した段ボールカホンを大事にお部屋に飾ってくださっている参加者もいると聞きました。喜んでいただけたようで、ありがたい限りです。

 

後日、企画会議の中で反省会を行い、企画隊のメンバーからは下のような意見・感想が聞かれました。文字では伝えきれない熱量のこもった言葉ばかりでした。

今回の分科会は我々にとっても参加された方々にとっても、意味ある貴重な体験ができた良い時間であったと実感しています。我々の分科会に参加して下さった皆さん、それから貴重な場を提供して下さった実行委員の皆さん、本当にありがとうございました。

最後に、日々の練習や準備を手伝って盛り上げてくれた仲間、練習のために大きい音を出すことを認めてくれ場所を開放してくれた仲間にもお礼を伝えたいと思います。
ありがとうございました。

 

【企画会議でのメンバーの意見・感想】

・大勢の人の笑顔が見られた!とにかくみんな楽しんでくれていたようで良かった!
・私達自身が楽しむことができて良かった。
・リハーサルでは、皆が自然に演奏に加わりお互いに気を配りあえた。なぜだか涙が出そうになった。
・演奏のみならず、楽器作りそのものが楽しかった。
・幅広い年代の人が参加して下さっていたので、演歌などみんなが分かる曲を演奏しても良かった。
・楽器作りの時、分かりやすく説明できたし作り方の紙も分かりやすかったので、皆が困ることなく手際よく作業することができていた。作業しやすいように準備したかいがあった。
・初めて知らない人の前で演奏したが、やりにくさは感じなかった。気持ちよくできた。練習したかいがあった。
・歌もギターも段ボールカホンも良かった。
・参加者は初めての音合わせなのにリズムがぴったり合っていて正直驚いた。一体感があった。やはりパーカッションは合奏しやすい。
・季節を感じさせる曲を演奏するのも良いかも。
・あんなに大勢の前で歌ったらきっと気持ちよかっただろう。歌いたかった!
・演奏者自身も元気をもらえた。
・参加者の皆さんも受け身ではなく積極的に動いていて、みんなが一体となり、協力し合って活動できた。
・このような活動を年に1回はやった方が良い。